仲介者の代わりにコード
分散型金融(ディーファイ)とは、銀行や取引所のような仲介会社の代わりに、ブロックチェーン上に置かれたプログラムが取引や貸し借りを処理するサービスを指します。このプログラムをスマートコントラクトと呼び、決められた条件がそろえば誰の許可もなく自動で実行されます。利用者は会員登録の代わりに自分のウォレットを接続して使います。取引記録が公開される利点がある一方、一度実行された取引は取り消せず、問題が起きても責任を問える相手がはっきりしないことが多くあります。
仲介会社の代わりにブロックチェーン上のプログラムが取引や貸し借りを処理する仕組みです。動き方と、資産を失う代表的な経路を整理しました。
分散型金融(ディーファイ)とは、銀行や取引所のような仲介会社の代わりに、ブロックチェーン上に置かれたプログラムが取引や貸し借りを処理するサービスを指します。このプログラムをスマートコントラクトと呼び、決められた条件がそろえば誰の許可もなく自動で実行されます。利用者は会員登録の代わりに自分のウォレットを接続して使います。取引記録が公開される利点がある一方、一度実行された取引は取り消せず、問題が起きても責任を問える相手がはっきりしないことが多くあります。
中央集権型の取引所は、買い手と売り手の注文を板で突き合わせます。分散型取引所の多くは、その代わりに二つのトークンを一緒に預けた流動性プールを使います。最もよく知られた方式は二つのトークンの数量の積が一定に保たれるようにするもので、片方のトークンを入れてもう片方を引き出すとプール内の比率が変わり、それで価格が決まります。プールの規模に比べて大きな注文を出すと比率が大きく動き、最初に見た価格より不利に約定するスリッページが大きくなります。
流動性プールにトークンを預けた人は、そのプールで発生した取引手数料の分配を受けます。その代わり、二つのトークンの価格比率が預けたときから変わると、単に二つのトークンをウォレットで持っていた場合より価値が小さくなることがあります。これをインパーマネントロスと呼びます。価格比率が元に戻れば縮まりますが、比率が変わった状態で引き出すと損失が確定します。画面に表示される利回りには、この損失が含まれていないことがよくあります。
分散型金融の貸し借りは、信用審査の代わりに担保で成り立っています。借りたい額より価値の高いコインを担保として預けるのが普通で、担保価値が決められた水準を下回ると、誰でもその担保を割安で処分できるようになり、自動的に清算されます。清算時にはペナルティ的な費用がかかることが多くあります。相場が急落すると、清算された担保が市場に放出されて価格をさらに押し下げ、それが別の清算を呼ぶ連鎖が起こりえます。
分散型金融のサービスには、銀行金利よりはるかに高い利回りがよく表示されます。この数字を見るときは、そのお金がどこから来るのかをまず問う必要があります。取引手数料や貸出金利のように実際の利用から生まれる分もあれば、サービスが新たに発行して配る報酬トークンもあります。報酬トークンの価格が下がれば、表示された利回りは実際と大きくずれます。また単利の年率と複利を前提にした年利回りは、同じ条件でも数字が違って出ます。
分散型金融で資産を失う事故は、いくつかの型で繰り返されてきました。スマートコントラクトのコードの欠陥を突く攻撃、外部の価格情報を取り込むオラクルを操作して担保価値を偽る攻撃、異なるブロックチェーン間で資産を移すブリッジへのハッキングが代表的です。運営者が管理者権限で資金を引き出す場合もあり、本物のサービスをまねた偽サイトでウォレットを接続して被害に遭う例も多くあります。
分散型金融を使うには、サービスが自分のトークンを動かせるようウォレットで承認する手順を踏みます。このとき金額の上限なしで承認すると、そのサービスやアドレスが後で攻撃された場合に、ウォレット内のそのトークンすべてが危険にさらされます。署名画面に何を許可するかが表示されたら最後まで読み、使わない承認は取り消し、大きな資産は分散型金融用とは別のウォレットに置くほうが安全です。ウォレット全般の安全については「暗号資産の財布から資産を失う経路」の記事を参考にしてください。
外部のセキュリティ監査を受けたという表示は、既知の種類の欠陥を点検したという意味にすぎず、安全を保証するものではありません。運営期間、管理者権限を誰がどのように握っているか、取引ごとにかかるネットワーク手数料もあわせて見ましょう。分散型金融への預け入れは預金保護の対象ではなく、課税や規制は国ごとに違い変わることもあるので、公式の案内を確認してください。この記事は仕組みの説明であり、投資助言ではありません。
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